明治開化絵の世界

ちんや浅草本店内に展示している
明治開化絵をご紹介します。

~開化絵とは~

開化絵とは、文明開化の文物を描いた浮世絵版画のことです。幕末から明治20年代にかけて盛んに出版され、写真が普及していなかったこの時代に、時事性の大変濃いメディアとして人々から愛好されていました。
主な画題は、新しい建築物−官庁・銀行・ホテル・鉄道・橋などや、新しい風俗−舞踏会・競馬会・博覧会・外国人・女学生などで、「うき世絵」の名の通り、この世のあらゆる物事を鏡のように描き出しています。
開化絵出版の担い手は、江戸時代以来の浮世絵工房でした。版元・絵師・彫師・摺師の分業による出版体制が、この頃円熟期を迎えており、大量の作品が人々の好奇心を満たす為に次々と出版されました。絵師も主に、江戸時代以来の画系である歌川派の絵師たちでした。
開化絵の画面には、激動期の日本の熱気があふれています。近代化を急激に成し遂げようとした明治政府と、時代に翻弄されながらも、変化を柔軟に受け入れた人々のドラマを開化絵は今日にいきいきと伝えています。

当廊の作品解説文作成に当たっては、浮世絵研究家の新藤茂先生にご監修いただきました。

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